PAGA訴訟における雇用主の新たな道

カリフォルニア民間法務長官法(PAGA法)により、権利を侵害された従業員は、自分自身、他の従業員、カリフォルニア州を代表して、労働法違反の罰則金の支払いを求めるために訴訟を起こすことができる。従業員から請求される罰則金額はかなりの額になる可能性がある。例えば、罰則金額が定められていない労働法違反の場合、PAGA法は、初回の違反に対して、権利を侵害された従業員1人あたり給与期間ごとに100ドル、2回目以降は違反ごとに200ドルの罰則を定めている。同一の給与期間の労働基準法違反ごとにそれぞれ罰則が課される可能性があるため、PAGA法による罰則は急激に大きくなる可能性がある。

最近、カリフォルニア州控訴裁判所において、Rocha v. U-Haul Co. of California(88 Cal. App. 5th 65 (2023))判決が下され、雇用主がPAGA法の罰則の対象となる範囲を限定する可能性が示された。Rocha事件では、原告らは、個人による報復請求を行いつつ、最終的に同じ行為に基づくPAGA法による請求を追加することの許可を求めたが、裁判所はこれを認めなかった。原告ら個人による請求は仲裁に付されたが、その後、仲裁人によって、被告は報復請求に対する責任を負わないと判断された。

控訴審において、原告らは、PAGA法による請求を追加するための許可申立てを却下した裁判所の決定に異議を唱えた。控訴裁判所は、争点効の原則に基づき、「仲裁人がそのような違反はなかったと判断し、その判断は争点効を有するため、原告らは・・・訴状で既に主張されているU-Haulによる労働法違反に関してPAGA法による請求を行う資格を有しない。したがって、(原告が)そのようなPAGA法の請求を主張することを認めることはできない。」と判断し、原審の判断を支持した。また、「仲裁人が、・・・(原告が)訴状で主張した1102.5条違反は認められないと認定したことにより、(原告が)同一の(労働法)違反事由に基づいて、『権利を侵害された従業員』として認定されることはない」とも判示した。すなわち、PAGA法の請求における原告が個人による請求で敗訴した場合、権利を侵害された他の従業員を代表して訴える資格はなくなってしまうことになる。

カリフォルニア州最高裁判所において、現在、別のPAGA法の事件であるAdolph v. Uber Technologies, Inc.(事件番号S274671)が審理されており、個人による請求が解決した後でも、原告が権利を侵害された従業員のグループを代表してPAGA法に基づく請求を行う資格を持ち続けるかどうかについて、検討されている。しかし、Adolph事件の結果にかかわらず、Rocha事件は、雇用主が指名原告に対して勝訴することができれば、PAGA訴訟を完全に終了させることができる有用な手段を提供するものといえる。

この記事はJenner & Blockニュースレターに掲載されています。

© 2026 Jenner & Block LLP. Attorney Advertising. Jenner & Block LLP is an Illinois Limited Liability Partnership including professional corporations. This publication, presentation, or event is not intended to provide legal advice but to provide information on legal matters and/or firm news of interest to our clients and colleagues. Readers or attendees should seek specific legal advice before taking any action with respect to matters mentioned in this publication or at this event. The attorney responsible for this communication is Brent E. Kidwell, Jenner & Block LLP, 353 N. Clark Street, Chicago, IL 60654-3456. Prior results do not guarantee a similar outcome. Jenner & Block London LLP, an affiliate of Jenner & Block LLP, is a limited liability partnership established under the laws of the State of Delaware, USA and is authorised and regulated by the Solicitors Regulation Authority with SRA number 615729. Information regarding the data we collect and the rights you have over your data can be found in our Privacy Notice. For further inquiries, please contact dataprotection@jenner.com.

PAGA訴訟における雇用主の新たな道

カリフォルニア民間法務長官法(PAGA法)により、権利を侵害された従業員は、自分自身、他の従業員、カリフォルニア州を代表して、労働法違反の罰則金の支払いを求めるために訴訟を起こすことができる。従業員から請求される罰則金額はかなりの額になる可能性がある。例えば、罰則金額が定められていない労働法違反の場合、PAGA法は、初回の違反に対して、権利を侵害された従業員1人あたり給与期間ごとに100ドル、2回目以降は違反ごとに200ドルの罰則を定めている。同一の給与期間の労働基準法違反ごとにそれぞれ罰則が課される可能性があるため、PAGA法による罰則は急激に大きくなる可能性がある。

最近、カリフォルニア州控訴裁判所において、Rocha v. U-Haul Co. of California(88 Cal. App. 5th 65 (2023))判決が下され、雇用主がPAGA法の罰則の対象となる範囲を限定する可能性が示された。Rocha事件では、原告らは、個人による報復請求を行いつつ、最終的に同じ行為に基づくPAGA法による請求を追加することの許可を求めたが、裁判所はこれを認めなかった。原告ら個人による請求は仲裁に付されたが、その後、仲裁人によって、被告は報復請求に対する責任を負わないと判断された。

控訴審において、原告らは、PAGA法による請求を追加するための許可申立てを却下した裁判所の決定に異議を唱えた。控訴裁判所は、争点効の原則に基づき、「仲裁人がそのような違反はなかったと判断し、その判断は争点効を有するため、原告らは・・・訴状で既に主張されているU-Haulによる労働法違反に関してPAGA法による請求を行う資格を有しない。したがって、(原告が)そのようなPAGA法の請求を主張することを認めることはできない。」と判断し、原審の判断を支持した。また、「仲裁人が、・・・(原告が)訴状で主張した1102.5条違反は認められないと認定したことにより、(原告が)同一の(労働法)違反事由に基づいて、『権利を侵害された従業員』として認定されることはない」とも判示した。すなわち、PAGA法の請求における原告が個人による請求で敗訴した場合、権利を侵害された他の従業員を代表して訴える資格はなくなってしまうことになる。

カリフォルニア州最高裁判所において、現在、別のPAGA法の事件であるAdolph v. Uber Technologies, Inc.(事件番号S274671)が審理されており、個人による請求が解決した後でも、原告が権利を侵害された従業員のグループを代表してPAGA法に基づく請求を行う資格を持ち続けるかどうかについて、検討されている。しかし、Adolph事件の結果にかかわらず、Rocha事件は、雇用主が指名原告に対して勝訴することができれば、PAGA訴訟を完全に終了させることができる有用な手段を提供するものといえる。

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