連邦最高裁判所、医薬品特許の実施可能要件に関する連邦巡回区控訴裁判所の判決を維持
2023年5月18 日、Amgen Inc. v. Sanofi, 987 F.3d 1080 (CA Fed. 2021) 事件で、連邦最高裁判所は、特許の実施可能要件に関する連邦巡回区控訴裁判所 (CAFC) の判決を維持した。これにより、連邦最高裁判所は、機能的には同等だが構造的に異なる競合製品を製薬会社が米国で阻止することをより困難にしたCAFCの重要な判決を、維持したことになる。
特許および下級審判決の背景
本件では、高コレステロール値を引き起こすタンパク質を阻害するモノクローナル抗体に関するAmgen社の特許が問題となった。Amgen社の特許請求の範囲に含まれる可能性のある抗体が「膨大な」数に上ることは争いがなかった。しかし、Amgen社の特許では、その特許請求の範囲内にある抗体の実施例が26例しか開示されていなかった。陪審員は、Amgen社の特許請求の範囲を実施可能であると判断したが、連邦地方裁判所およびCAFCは、当該特許請求の範囲は実施可能性を欠き法律上無効であると判断した。
連邦最高裁判所判決
連邦最高裁判所は、全員一致でCAFCの判決を支持した。連邦最高裁判所は、判例によれば、特許が「合理的な量の実験を要求する」ものであったとしても、必ずしも実施可能性の欠如を理由に無効とはならないと指摘した。しかし、連邦最高裁判所は、「何が合理的かは発明の性質と基礎となる技術により異なる」と述べた。
Amgen社の特許に関して、連邦最高裁判所は、抗体を見つけるための開示された方法は「試行錯誤」を必要とする、と述べた。連邦最高裁判所によると、これは、発明の実施のために実験を必要とするものの、数回の実験で必要な情報が得られることがほとんどであった過去の判例の事案とは異なる。試行錯誤によるアプローチでは、未知で予測不可能な量の労力を要し、運がなければ好ましい結果をもたらさない可能性がある。
連邦最高裁判所は、実施可能性は、特許請求の範囲内の全ての実施例を製造するのに要する累積的な時間と労力に対して測られるものではない、と指摘した。そして、連邦最高裁判所は、場合によっては、Amgen社が依拠した製造方法(裁判所のいう「試行錯誤」に相当)が、他の特許請求項を有効にするのに十分である可能性を認めた。
しかし、連邦最高裁判所は、過度の実験と合理的な実験を区別するための法的テストは示さなかった。連邦最高裁判所はその線引きをCAFCに委ねているように見受けられる。しかし、連邦最高裁判所はまた、広範な機能的クレームを有する特許は、すべての機能的な実施形態に共通する性質を特定する必要がある可能性を示唆した。
この記事は英文の記事の要約版となります。また、この記事はJenner & Blockニュースレターに掲載されています。
特許および下級審判決の背景
本件では、高コレステロール値を引き起こすタンパク質を阻害するモノクローナル抗体に関するAmgen社の特許が問題となった。Amgen社の特許請求の範囲に含まれる可能性のある抗体が「膨大な」数に上ることは争いがなかった。しかし、Amgen社の特許では、その特許請求の範囲内にある抗体の実施例が26例しか開示されていなかった。陪審員は、Amgen社の特許請求の範囲を実施可能であると判断したが、連邦地方裁判所およびCAFCは、当該特許請求の範囲は実施可能性を欠き法律上無効であると判断した。
連邦最高裁判所判決
連邦最高裁判所は、全員一致でCAFCの判決を支持した。連邦最高裁判所は、判例によれば、特許が「合理的な量の実験を要求する」ものであったとしても、必ずしも実施可能性の欠如を理由に無効とはならないと指摘した。しかし、連邦最高裁判所は、「何が合理的かは発明の性質と基礎となる技術により異なる」と述べた。
Amgen社の特許に関して、連邦最高裁判所は、抗体を見つけるための開示された方法は「試行錯誤」を必要とする、と述べた。連邦最高裁判所によると、これは、発明の実施のために実験を必要とするものの、数回の実験で必要な情報が得られることがほとんどであった過去の判例の事案とは異なる。試行錯誤によるアプローチでは、未知で予測不可能な量の労力を要し、運がなければ好ましい結果をもたらさない可能性がある。
連邦最高裁判所は、実施可能性は、特許請求の範囲内の全ての実施例を製造するのに要する累積的な時間と労力に対して測られるものではない、と指摘した。そして、連邦最高裁判所は、場合によっては、Amgen社が依拠した製造方法(裁判所のいう「試行錯誤」に相当)が、他の特許請求項を有効にするのに十分である可能性を認めた。
しかし、連邦最高裁判所は、過度の実験と合理的な実験を区別するための法的テストは示さなかった。連邦最高裁判所はその線引きをCAFCに委ねているように見受けられる。しかし、連邦最高裁判所はまた、広範な機能的クレームを有する特許は、すべての機能的な実施形態に共通する性質を特定する必要がある可能性を示唆した。
この記事は英文の記事の要約版となります。また、この記事はJenner & Blockニュースレターに掲載されています。
[1] 987 F.3d at 1087.
[2] Id. 1087-88.
[3] No. 21-757 Amgen Inc. v. Sanofi, 598 U.S. __ (May 19, 2023) available at https://www.supremecourt.gov/opinions/22pdf/21-757_k5g1.pdf
[4] Id. 15.
[5] Id. 17-18.
[6] Citing id. at 475
Footnotes
[1] 987 F.3d at 1087.
[2] Id. 1087-88.
[3] No. 21-757 Amgen Inc. v. Sanofi, 598 U.S. __ (May 19, 2023) available at https://www.supremecourt.gov/opinions/22pdf/21-757_k5g1.pdf
[4] Id. 15.
[5] Id. 17-18.
[6] Citing id. at 475
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© 2026 Jenner & Block LLP. Attorney Advertising. Jenner & Block LLP is an Illinois Limited Liability Partnership including professional corporations. This publication, presentation, or event is not intended to provide legal advice but to provide information on legal matters and/or firm news of interest to our clients and colleagues. Readers or attendees should seek specific legal advice before taking any action with respect to matters mentioned in this publication or at this event. The attorney responsible for this communication is Brent E. Kidwell, Jenner & Block LLP, 353 N. Clark Street, Chicago, IL 60654-3456. Prior results do not guarantee a similar outcome. Jenner & Block London LLP, an affiliate of Jenner & Block LLP, is a limited liability partnership established under the laws of the State of Delaware, USA and is authorised and regulated by the Solicitors Regulation Authority with SRA number 615729. Information regarding the data we collect and the rights you have over your data can be found in our Privacy Notice. For further inquiries, please contact dataprotection@jenner.com.
2023年5月18 日、Amgen Inc. v. Sanofi, 987 F.3d 1080 (CA Fed. 2021) 事件で、連邦最高裁判所は、特許の実施可能要件に関する連邦巡回区控訴裁判所 (CAFC) の判決を維持した。これにより、連邦最高裁判所は、機能的には同等だが構造的に異なる競合製品を製薬会社が米国で阻止することをより困難にしたCAFCの重要な判決を、維持したことになる。
特許および下級審判決の背景
本件では、高コレステロール値を引き起こすタンパク質を阻害するモノクローナル抗体に関するAmgen社の特許が問題となった。Amgen社の特許請求の範囲に含まれる可能性のある抗体が「膨大な」数に上ることは争いがなかった。しかし、Amgen社の特許では、その特許請求の範囲内にある抗体の実施例が26例しか開示されていなかった。陪審員は、Amgen社の特許請求の範囲を実施可能であると判断したが、連邦地方裁判所およびCAFCは、当該特許請求の範囲は実施可能性を欠き法律上無効であると判断した。
連邦最高裁判所判決
連邦最高裁判所は、全員一致でCAFCの判決を支持した。連邦最高裁判所は、判例によれば、特許が「合理的な量の実験を要求する」ものであったとしても、必ずしも実施可能性の欠如を理由に無効とはならないと指摘した。しかし、連邦最高裁判所は、「何が合理的かは発明の性質と基礎となる技術により異なる」と述べた。
Amgen社の特許に関して、連邦最高裁判所は、抗体を見つけるための開示された方法は「試行錯誤」を必要とする、と述べた。連邦最高裁判所によると、これは、発明の実施のために実験を必要とするものの、数回の実験で必要な情報が得られることがほとんどであった過去の判例の事案とは異なる。試行錯誤によるアプローチでは、未知で予測不可能な量の労力を要し、運がなければ好ましい結果をもたらさない可能性がある。
連邦最高裁判所は、実施可能性は、特許請求の範囲内の全ての実施例を製造するのに要する累積的な時間と労力に対して測られるものではない、と指摘した。そして、連邦最高裁判所は、場合によっては、Amgen社が依拠した製造方法(裁判所のいう「試行錯誤」に相当)が、他の特許請求項を有効にするのに十分である可能性を認めた。
しかし、連邦最高裁判所は、過度の実験と合理的な実験を区別するための法的テストは示さなかった。連邦最高裁判所はその線引きをCAFCに委ねているように見受けられる。しかし、連邦最高裁判所はまた、広範な機能的クレームを有する特許は、すべての機能的な実施形態に共通する性質を特定する必要がある可能性を示唆した。
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特許および下級審判決の背景
本件では、高コレステロール値を引き起こすタンパク質を阻害するモノクローナル抗体に関するAmgen社の特許が問題となった。Amgen社の特許請求の範囲に含まれる可能性のある抗体が「膨大な」数に上ることは争いがなかった。しかし、Amgen社の特許では、その特許請求の範囲内にある抗体の実施例が26例しか開示されていなかった。陪審員は、Amgen社の特許請求の範囲を実施可能であると判断したが、連邦地方裁判所およびCAFCは、当該特許請求の範囲は実施可能性を欠き法律上無効であると判断した。
連邦最高裁判所判決
連邦最高裁判所は、全員一致でCAFCの判決を支持した。連邦最高裁判所は、判例によれば、特許が「合理的な量の実験を要求する」ものであったとしても、必ずしも実施可能性の欠如を理由に無効とはならないと指摘した。しかし、連邦最高裁判所は、「何が合理的かは発明の性質と基礎となる技術により異なる」と述べた。
Amgen社の特許に関して、連邦最高裁判所は、抗体を見つけるための開示された方法は「試行錯誤」を必要とする、と述べた。連邦最高裁判所によると、これは、発明の実施のために実験を必要とするものの、数回の実験で必要な情報が得られることがほとんどであった過去の判例の事案とは異なる。試行錯誤によるアプローチでは、未知で予測不可能な量の労力を要し、運がなければ好ましい結果をもたらさない可能性がある。
連邦最高裁判所は、実施可能性は、特許請求の範囲内の全ての実施例を製造するのに要する累積的な時間と労力に対して測られるものではない、と指摘した。そして、連邦最高裁判所は、場合によっては、Amgen社が依拠した製造方法(裁判所のいう「試行錯誤」に相当)が、他の特許請求項を有効にするのに十分である可能性を認めた。
しかし、連邦最高裁判所は、過度の実験と合理的な実験を区別するための法的テストは示さなかった。連邦最高裁判所はその線引きをCAFCに委ねているように見受けられる。しかし、連邦最高裁判所はまた、広範な機能的クレームを有する特許は、すべての機能的な実施形態に共通する性質を特定する必要がある可能性を示唆した。
この記事は英文の記事の要約版となります。また、この記事はJenner & Blockニュースレターに掲載されています。
[1] 987 F.3d at 1087.
[2] Id. 1087-88.
[3] No. 21-757 Amgen Inc. v. Sanofi, 598 U.S. __ (May 19, 2023) available at https://www.supremecourt.gov/opinions/22pdf/21-757_k5g1.pdf
[4] Id. 15.
[5] Id. 17-18.
[6] Citing id. at 475
Footnotes
[1] 987 F.3d at 1087.
[2] Id. 1087-88.
[3] No. 21-757 Amgen Inc. v. Sanofi, 598 U.S. __ (May 19, 2023) available at https://www.supremecourt.gov/opinions/22pdf/21-757_k5g1.pdf
[4] Id. 15.
[5] Id. 17-18.
[6] Citing id. at 475
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